せんごくIXA☆これくしょん

戦国IXA 素人に毛がはえた程度の美課金いくさーのブログです

読書レビュー 「海鳴り」 葉室麟

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俊英と謳われた豊後羽根藩の伊吹櫂蔵は、役目をしくじりお役御免、いまや〈襤褸蔵〉と呼ばれる無頼暮らし。ある日、家督を譲った弟が切腹。遺書から借銀を巡る藩の裏切りが原因と知る。弟を救えなかった櫂蔵は、死の際まで己を苛む。直後、なぜか藩から出仕を促された櫂蔵は、弟の無念を晴らすべく城に上がるが……。〝再起〟を描く、『蜩ノ記』に続く羽根藩シリーズ第二弾! 

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 久々に読書レビュー

 

 直木賞作品蜩ノ記を呼んだ後、葉室麟氏の作品は、いくつか読んだのですが、この人・・当たりはずれがあるなぁ~と思います(ド素人が偉そうだが)

 

 その中で、この第2弾「海鳴り」は前作を超える秀作で大当たりでした!

 

 「一度落ちた花は再び咲かぬ」が、この作品のテーマだと思います。予が以前、感じていた「燃え尽きた灰に二度と火はつかない」と同じような意味合いであるが、灰より花の方がキレイですよね(苦笑)

 

 主人公は、襤褸蔵なんですが、この作品は登場人物(脇役)が秀逸すぎる!

 

 特にお芳の生き方に感涙(´;ω;`)ウゥゥ また、最初は面憎いヤツだと思えた継母の染子の考え方にも感涙(´;ω;`)ウゥゥ

 

「二度目に咲く花は、きっと美しかろうと存じます。最初に花はその美しさも知らずに漫然と咲きますが、二度目の花は苦しみや悲しみを乗り越え、かくありたいと願って咲くからでございます」(作品引用)

 

 最後の方の襤褸蔵の言葉は泣けますね・・

 

 ちょっと苦言を呈すとすれば、敵役が単純な悪役であったのは、残念・・もうひとひねりあっても良かったのではないのだろうか?

 

 この作品、映画化されていないですよね? 映像化すれば良い作品になると思います